NPO法人あいおぷらす理事長挨拶
理事長挨拶
2020年、「NPO法人あいおぷらす」が設立されました。多くの方々のご協力のもとにスタートできましたことに、理事長として心より感謝申し上げます。
「あいおぷらす」では、これまで「ピンクリボンふじさわ」として乳がん検診の啓発事業を推進してきたメンバーを中心に、乳がんをはじめとするがんによる死亡者をゼロにすることを目的に活動してまいります。
がんによる死亡者を減らすために大切なのは、がん検診による早期発見、早期治療です。乳がんについていえば、藤沢市における乳がん検診の受診率は、残念なことに県下でも低く推移しています。これまでにも藤沢市、藤沢市医師会、藤沢市保健医療財団及びピンクリボンふじさわが連携して受診率向上の啓発活動を行ってきましたが、更に受診率を飛躍させるには何らかの対策が必要です。
その対策のひとつは、がんに対する正しい知識をお伝えすること。現在、インターネットなどではがんの情報が氾濫していますが、それは皆さんにとってプラスのものばかりではありません。専門医による専門的な知識も、一般の方々にはわかりにくいとの声もお聞きします。「あいおぷらす」では、こうした専門的な知識を皆様にわかりやすくお伝えしていきます。また、小学校・中学校・高校・大学などでの講演を通じ、若い時期から正しいがんの知識を身につけていただくための活動も行っていきます。
私たちがもうひとつ大切にしていることは、がん患者さんのお気持ちです。がんと診断された時や、長期間に渡る治療を余儀なくされた時、患者さん及びそのご家族は大きな精神的負担を抱えてしまいます。その負担を少しでも軽減できるような空間を、今後、提供していきたいと考えています。気楽に相談でき、情報や支援が得られ、精神的に癒される空間を創ることも「あいおぷらす」の仲間たちの夢のひとつなのです。
昨今、新型コロナウイルスの猛威、気候変動による地球の疲弊、人種問題、経済問題等が世界中の中心課題となって、がんの話題は追いやられ、関心が薄くなっているように感じます。しかし、そのような状況であってもがんは一時たりとも休憩せず、現在進行形で人々の体内を侵食しています。二人に一人ががんになると言われますが、正しい知識と正確な情報があればがんの早期発見、早期治療は可能であり、個人の努力次第で克服できる問題です。しかし、がんになって精神的に辛くなったり、相談したい、聞いて欲しいと思うことがあったら、そこに個人の努力は必要ありません。
精神的な支えが欲しい時には、私たち「あいおぷらす」を頼ってください。乳がん体験者コーディネーターなどもお手伝いしながら、できる限りのサポートをしたいと考えています。
「あいおぷらす」の事業の発展のためには行政、医師会、様々な団体、関係者との連携が必須です。私たちの主旨にご賛同いただける個人の方々、企業・団体の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。
皆様のご支援のもとに、ここ藤沢で信頼され、認められる組織となり、更に私たちの活動が湘南、全国へと発展することを願っています。
呉クリニック
呉 吉 男